(記者)
テレビ静岡です。熱海の土石流に、ごめんなさい、戻ってしまうんですけれども。このあと4時から行政対応の検証委員会が開かれます。一方で我々冒頭頭撮りのみで内容非公開というふうに聞いております。先ほど知事からお話があったように、一義的にはやはりこの違法な盛り土を作った方、またそれを管理してきた方々に対する責任というのが大きいと思いますけれど、一方でやはり県民の方また全国の方というのは県や市の対応が適切だったのかという部分の検証においても非常に大きな関心が注がれています。先ほど図らずも知事の口からリニアで全面公開、全面公開というお話がありましたし、確かこの問題が出たときに県としては包み隠さずに情報を出すと、それは斉藤市長とも約束できているんだというような趣旨のご発言あったかと思いますけれども、そうした中で今日の委員会がなぜ非公開なのでしょうか。
(知事)
まだ最終報告になっていないからじゃないでしょうか。今この行政の対応のありていのヒアリングを含めてこの検証がなされているわけですね。これは一応めどとしては3月末になるというふうに思っておりますが、今日その担当している方はどれだけ来られますか。ちょっとこの現状について、それから、じゃあよろしくお願いします、とりあえず、はい。
(経営管理部総務課 清水課長)
経営管理部の総務課長の清水といいます。本日の会議につきましては議事内容に個人情報が含まれること、あるいは委員の方の率直な意見の交換でありますとか、意思決定の中立性が損なわれるというようなおそれがあるものですから、会議自体は非公開という形で進めさせていただきたいと思います。最終の報告書案については、まとまった段階で報告という形で、公開という形で考えております。以上でございます。
(知事)
そういうわけで、個人情報でどうしても秘匿しなくちゃいけないものがあるかもしれませんけれども、黒塗りばかりで何か書いてあるかわからないということはあってはならないと。ですから、あったことはあったがままに、正直に県民の皆様方に、また二度とこういうことを起こしてはならないが故に、全て公開するという、そういう原則で会議をしていただいているというふうにご理解ください。
(記者)
話は理解しました。個人情報が含まれるということも理解しましたけど、まあそこら辺は多分やりようもありますし、今これはあくまで意見ですけれども、率直な意見交換が報道が入るとできないということでしたけれども、それって多分リニアなんかでも国交省が言っていた理屈だと思いますし、やはりそれは我々からしてもダブルスタンダードに感じるので、今後また年度末までに意見をまとめるにあたって委員会が開かれるようでしたら、そこら辺もご加味頂いて、報道公開についてのご判断を頂けたらと思います。
(知事)
ありがとうございました。
(記者)
中日新聞です。リニアについて2点お伺いします。改めて中間報告が出たわけですけど、ここで改めて確認させてください。県外流出、トンネル湧水を含めた全量戻し、これについては県としては譲れない絶対条件ということでよろしいんでしょうか。
(知事)
全量戻しの方法が書かれていません。初めて有識者会議が、全量戻しには掘削中のものが入るということを、明確にお書き込み下さいました。全量戻しができるのかできないのか分からないというのが、中間報告を読んでの率直な感想です。戻せないならば、おそらく工事はできないだろうというふうに思う人が多いと思いますね。
(記者)
分かりました。県の専門部会の生物多様性の議論の中で、JR東海が代償行為を基本にした案というのが繰り返し出されております。その中で委員はJR側に代償行為ありきではなく、リスクの回避と提言をということを求めています。こちらも議論が平行状態になっているような印象を受けるんですけど、こちらは膠着状態に陥るという懸念は知事はありますか。
(知事)
まず、これはまだ本格的に議論されていないということですね。そして座長コメントにもございますし、今後の方針、今後の方向性についても最後のところに書かれていますけれども、生態系についで次に、生態系のほか、盛土や監視体制やなんかについても議論をしていくというふうに言われておりますから、さしあたって分かっているところは、代償行為をせざるを得ないようなことになったら問題だという。つまりそのトンネルの真上は国立公園の特別保護区にもかかっています。ユネスコエコパークです。そこが、トンネルを掘れば水がそこから流れていますから、上の水位が下がると、それを300メートル以上下がるとおっしゃっているので、それを下がった結果、生きていけない生物は出てくると、これに対して代償行為をすると、それをそもそも認めるかどうかというのもありますね。今生きた現実と同じものが再現できるのかどうか。ですからここは大きな議論になるかと思っておりまして、うちの専門部会でもおそらくこの点が論点になるでしょうし、また生態系に関わる有識者会議は今のようなどちらかというと、土木系といいますか、技術系の方とは違う知見を持った方が入らないと、正面切った議論はできないのではないかという、どのような形になさるのか、有識者会議の行方も見守っていきたいと思っております。 |